海のカロテノイド アスタキサンチンを食事からとる方法

鮭の切り身2. サプリを食事に置換える

近年サプリメントで人気が高まっているアスタキサンチン。その抗酸化作用の高さと幅広い機能性は、基本栄養素とともにとりたいと思っている方が多いのではないでしょうか。今回はアスタキサンチンを食事から上手にとる方法について考えていきます。

アスタキサンチンの含有量が高い鮭の切り身

自然界に存在するアスタキサンチン

アスタキサンチン(Astaxanthin)は自然界に広く存在する色素成分の一種で、β-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、リコピンと同じカロテノイドです。成分は鮮やかな赤色をしており、鮭、エビやカニ、フラミンゴなどの赤やピンク色をした生物に見られます。海の生物に多く見られることから、「海のカロテノイド」とも呼ばれています。

抗酸化作用に優れており、β-カロテンの40倍、ビタミンEの1000倍!そのパワーは、鮭が川を遡上する際のエネルギー供給源や、鮭のたまご(イクラ)などが紫外線から身を守るために利用していると言われています。

また、血液脳関門を通過するので脳機能にもよいことで知られています。

アスタキサンチンの作用

アスタキサンチンは様々な作用が報告されています。本当に効果があるのかはまだまだ調査の余地がありますが、以下のようなたくさんの作用が期待されていますので、毎日とりたくなってしまいますよね。

アスタキサンチンに期待される作用:

  • 抗酸化作用(アンチエイジング)
  • 血管・血液の健康
  • 脳機能改善
  • 目の疲れ
  • 美容
    • シミやシワの予防・改善
    • 紫外線ダメージからの肌の保護(日焼け予防)
    • メラニンの産生抑制

アスタキサンチンの推奨摂取量

そんなすごいアスタキサンチンですが、最近では機能性表示食品にも採用されており、臨床試験などの結果からサプリメントでは1日6mg以上が配合されています。では、この量を普段の食事でとることができるのでしょうか。

食品中に含まれるアスタキサンチンの量

アスタキサンチンは先述のとおり鮭やエビ、カニなどに含まれています。これらの食品中にはアスタキサンチンがどれくらい含まれているのでしょうか。

アスタキサンチンの分析例1をもとに、以下に計算器をつくりました。とりたいアスタキサンチンの量を入力すると、食品の量が自動で計算できますので、参考にしてみてくださいね。

目的に応じて他の食品と合わせて食べるのもおすすめ!

こう見ると、サプリに配合されるようなアスタキサンチンの量を食品でとるのは難しいことがわかりますよね。サプリメントに含まれるアスタキサンチンの量は、普段私たちが食事でとれる量を優に超えているのです。サプリメントを作る際は安全性に留意していますが、なるべく普段の食事からとりたいと思っている方は、上記の食品と一緒にお悩みに合わせて他の有効成分が含まれている食品を合わせてとるとおすすめです

以下では目的に合わせて食事でとりやすい食品を挙げてみました。アスタキサンチンと一緒に普段の食生活にとりいれれば、健康的な毎日のサポート間違いなしです♪

美容(抗酸化)におすすめの成分

ビタミンC

【含まれる食品】レモンや果物、野菜

ビタミンE

【含まれる食品】あまに油、えごま油、ごま油など

ビタミンCとビタミンEは体に必須の栄養素ですが、抗酸化作用でも知られていますよね。必要以上にたくさんとる必要はありませんが、必須栄養素なので不足すると欠乏症が起こることも。普段の食事に上手にとり入れていきましょう。

コラーゲン

【含まれる食品】肉類(特に牛筋、手羽先、ふかひれなど)

美容といえば、コラーゲン!肌や骨に含まれている体に欠かせない成分ですが、肌の弾力を保ってくれるアンチエイジングの栄養素でもあります。コラーゲンはアミノ酸から構成されるたんぱく質の一種なので、コラーゲンとしてだけではなく、毎日一定量のタンパク質を意識してとることがおすすめです。

リコピン

【含まれる食品】トマト、スイカ、グレープフルーツ(ルビー)、金時人参など

リコピンは抗酸化とともに日光の日やけの時にも役立つ美容におすすめの成分です。特に赤みの強いトマトに多く含まれていますので、ミニトマトやパスタソースなら毎日とりやすくおすすめです。

脳機能におすすめの成分

DHA・EPA

【含まれる食品】さばなどの魚の油

DHAも脳関門をとおる成分として知られ、認知機能の維持を目的としたサプリメントに配合されている成分です。アマニ油、えごま油からは最近人気のサバ缶などは、調理も簡単でさっと食べやすく、おすすめです。

また、DHA・EPAは不飽和脂肪酸として推奨量が設定されています。年齢によって異なりますので、詳細は下記リンクをご参照ください。

血管・血液の健康におすすめの成分

DHA・EPA

【含まれる食品】さばなどの魚の油

DHA・EPAは血液をサラサラにするだけではなく血管のしなやかさにも作用してくれます。最近人気のサバ缶などは、調理も簡単でさっと食べやすく、おすすめです。

ケルセチン

【含まれる食品】玉ねぎ

玉ねぎのサラサラ成分でしられるケルセチンは、血液の流れをよくしてくれる作用があります。水分を控えがちなかたは、血液の水分量を増やすために合わせてお水を飲むのもおすすめです。

酢酸

【含まれる食品】お酢

お酢は血管を拡張させて血液の流れをスムーズにしてくれる作用があります。ですが、健康食品で販売されているお酢のサプリメント(ソフトカプセル)には酢酸成分は含まれていないのはご存じでしたか?お酢を濃縮・粉末加工する際に酢酸成分が飛んでしまうそうです。ただし、「酢酸ナトリウム」や「酢酸カリウム」などのように「酢酸〇〇」と記載があるものなら酢酸を含んでいます。ですが、お酢が苦手でなければ個人的には液体のお酢としてとることをお勧めします。お酢のドリンクや酢の物など、毎日ちょっとずつとれたらいいですよね。

目の健康におすすめの成分

ルテイン

【含まれる食品】ほうれん草、パプリカ、ブロッコリー、ニンジンなど

目の黄斑部に存在しているカロテノイドですが、私たちの体内で合成できないため、食事からとる必要がある必須栄養素です。特に葉物の緑黄色野菜に多く含まれています。

アントシアニン

【含まれる食品】ブルーベリーなどのベリー類、ワインなど

ベリーに多く含まれているアントシアニン抗酸化作用のあるポリフェノールの一種。自然界に500種類以上存在していると言われていますが、とくにブルーベリーに含まれているアントシアニンが目にいいのだとか。冷凍ブルーベリーなら、スーパーなどでも手に入りやすくおすすめです。

ビタミンA(β-カロテン)

【含まれる食品】緑黄色野菜、海藻、レバー(肉)など

ビタミンAは体に必須の栄養素ですが、サプリメントで栄養機能食品として販売するときは、目や皮膚の粘膜を保護する作用を謳うことのできる、健康と美容におすすめの栄養素です。

ビタミンE

【含まれる食品】油類。特にえごま油、アマニ油、ごま油がおすすめ

ビタミンEはその抗酸化作用によって体の細胞を健康に保つことができます。健康と美容におすすめの栄養素です。

以上、アスタキサンチンを毎日一定量とるのは難しいですが、他の食品をうまく組み合わることでお悩みのサポートが期待できます。こう見ると、日本にはいろいろな食材がたくさんあり、毎日食事を選ぶことができることはとても贅沢なことですよね。私もその日の調子に合わせて食材を選び、健康的で豊かな食生活を送りたいと改めて思いました。

  1. オレオサイエンス 第 12 巻第 10 号(2012)Table1 ↩︎

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