カルシウムは人体の中で最も多く存在しているミネラルで、不足が懸念されています。また、マグネシウムはカルシウムとのバランスが大切と言われているミネラルです。これらの栄養素は普段の食事でどれくらいとれているのでしょうか。
今回、性別や年齢ごとに基準値※1から摂取量※2を差し引いて、過不足量を調べました。また、カルシウムやマグネシウムの量から食品の量を計算できる計算器を用意しました。あとどれだけ何を食べたらいいのか、参考にしてくださいね。

もっととりたいカルシウム
カルシウムは、皆さんもご存じ骨や歯を形成するミネラルです。人体の中で最も多く存在しているミネラルですが、その分食事でたくさん摂取しなければならず、全世代で不足が懸念されているミネラルでもあります。子供の健康的な発育や、大人でも将来の骨の健康のために、食事で積極的にとりたい栄養素です。
一方で、サプリメントやミネラルウォーターからカルシウムを過剰にとってしまうと石がたまりやすいので注意が必要です。なるべく食事から摂取できるといいですよね。
カルシウムとのバランスを意識したいマグネシウム
マグネシウムは骨などにも存在していますが、様々な酵素反応を助ける補酵素でもあります。
昔、某テレビ番組で「カルマグバランスが大事」と放送されたことがありましたが、マグネシウムの量が少ないとカルシウムが働けなくなってしまうため、両方バランスよくとる必要があります。このマグネシウムは下剤にも使用されていることからわかるように、健康的な人ならとりすぎても体外に排出されてしまうため、過剰摂取の心配はありません。ただし、腎機能が弱い方は注意が必要です。
日本人のカルシウムとマグネシウムの摂取量
では、皆さんの普段の食事からカルシウムとマグネシウムがどれだけ不足しているのでしょうか。カルシウムとマグネシウムをそれぞれ推奨量※1と日本人の食事摂取状況の中央値※3から、一般的な食事をしたときにどれだけ過不足があるのかを調べましたので、参考にしてくださいね。

グラフは年代と性別ごとのカルシウムとマグネシウムの過不足量を示しています。計算は、厚生労働省の食事摂取基準値※1から実際に日本国民が食事から摂取している成分量※2を差し引いた数字です。カルシウムもマグネシウムも、全世代で基準値※1よりも少ない傾向があることがみてとれます。
カルシウムは若いときからの貯蓄が大事なミネラルです。誰もが「今が一番若い日」ですので、今日からカルシウムを意識した食事をとり入れてみませんか?次に食品の量を計算できる計算器をつくりました。カルシウムやマグネシウムの量を入いれると食品の量が出てきますので、毎日の食事にとりいれてみてくださいね。
食品の量を計算してみましょう
カルシウムやマグネシウムの量から、食品を自動で計算できる表を作りました※3。とりたい量を入力すると食品の量が出ますので、試してみてくださいね。
煮干し、にがりのすすめ
カルシウムは乳製品や小魚、海藻や野菜などに多く含まれています。そのなかでも、普段の食事にチョイ足しする場合は煮干しがおすすめ!煮干しはリンや鉄などの他のミネラルもたくさん含んでいるので、おやつ感覚で効率的に栄養をとれます。例えばアーモンド小魚なら、アーモンドの良質な脂質やビタミンDもとることができるので、おすすめです。塩分や糖分が気になる方は、塩分を除いた煮干しがおやつ用に売っていますので、そちらもおすすめです。
また、上記で紹介しませんでしたが、マグネシウムをとるためにおすすめなのが、にがりです。にがりは海水から塩を取った後の残りで、塩化マグネシウムが主成分のため、マグネシウムを効率よくとることができます。また、にがりは食塩のような塩味がありますので、食塩の代用としても使用でき、食塩のとりすぎを気にしている方にもおすすめです。
カルシウムとビタミンDは一緒にとると吸収率UP!
ビタミンDはカルシウムの吸収にも関与しているため、ビタミンDの摂取量も意識してもらいたいもの。太陽光を浴びれば体内で合成してくれますので、太陽光を浴びるか、それが難しい場合は下記の記事を参考に、ビタミンDを多く含む食品を積極的にとるのもおすすめです。
まとめ
いかがでしょうか。骨の健康に大事なカルシウムと、カルシウムとのバランスが重要なマグネシウム。どちらも大事な必須ミネラルです。骨の健康が気になったときは思い出していただいて、お食事にとり入れてみてくださいね。皆さんの健康的な生活を応援しています。
※1.厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
※2.令和元年国民健康・栄養調査 <中央値>
※3.参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
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