美容と足腰の健康に!コラーゲンを食事で効率的にとる方法

カップ入りのマシュマロ2. サプリを食事に置換える

コラーゲンのイメージは美容によいと思っている方が多いのではないでしょうか。実は美容=肌(皮膚)だけではなく、骨や軟骨、血管、腱なども構成しており、人体のタンパク質の30%をコラーゲンが占めています1。そのため、健康食品でも広く使用されており、肌だけでなく骨(骨粗しょう症予防)や軟骨(関節のスムーズな可動)、血管の健康のために配合されます。

<コラーゲンは、こんな方におすすめ>
☑肌の乾燥やたるみが気になる、潤いや弾力が欲しい
☑更年期後の骨の健康に
☑関節の痛みが気になる、関節の動きをよくしたい
☑腱や筋肉を強くしたい、体を鍛えたい

では、このコラーゲンとどのようにとったらよいのか、効率的なとりかたがあるのか探っていきましょう。

サプリを持つ女性

コラーゲンの種類と選びかた

お客様より「II型コラーゲンが欲しいのだけど、どの商品に入っているの?」と聞かれることがしばしばあります。コラーゲンには体の組織ごとに若干形が異なっており、90%が皮膚や骨を構成するI型コラーゲンです。II型コラーゲンは軟骨を構成するコラーゲンで、膝関節の悩みの方にお勧めすることがあります。ですが、組成はどのコラーゲンもほぼ一緒2のため、II型コラーゲンを選んでとったからといって効果が劇的に高くなるわけではない3ようです。

一般の健康食品で使われる原料のほとんどは豚皮由来で、次に魚の皮由来のコラーゲン、一部牛骨などもあります。これらはすべてI型コラーゲンになります。なお、豚と魚のどちらがよりヒトのI型コラーゲンに近いかというと、豚のほうが近いそうです。ですが効果に大差はありませんので、とりやすいものを選んでいただけば大丈夫です。また、食品中のコラーゲンもI型コラーゲンがメインです。

1日の推奨量

健康食品としては、1日に粉末のコラーゲンを5~10gとることが勧められています。これは論文で有意差が出た量になるのですが、食品に換算するとけっこうな量です。しかも、摂取したコラーゲンは骨や皮膚のコラーゲンの合成を促すシグナルとして作用し、あとは分解されて体内のどこかでタンパク質として再度活躍します※3。すなわち、必ずしも私たちが「ここに欲しい」と思った部位でコラーゲンが増えるわけではありません。

実はコラーゲンをとったからといってコラーゲンがそのまま体内でコラーゲンに再合成されるわけではありません。コラーゲンはたんぱく質の一種で、アミノ酸から構成されています。したがって、コラーゲンの素となるものは、たんぱく質やアミノ酸です。コラーゲンはたくさんとればいいというわけではなく、総たんぱく質量として適切な量をとることがおすすめです。以下のリンクでタンパク質の多い食品の紹介や食品の量を計算できますので、参考にしてください。

コラーゲンの摂取量は足りてる?実際に計算してみましょう

では、私たちは毎日食事からどれくらいコラーゲンをとっているのでしょうか。日本人の成人女性の調査※4では、1日あたり平均 1.9 g摂取しているという結果でした。推奨量には及ばないですよね。実際、ご自身はどれくらいの量をとれているのでしょうか。以下にコラーゲンを多く含む食品の分析値4をもとに、食べた食品の量からコラーゲンの概算量を計算できる計算器を作成しました。今日のコラーゲンの摂取量や、コラーゲンの多い食事をつくる参考にご利用ください。

膝の痛みにも、コラーゲンはおすすめ

コラーゲンの摂取量を増やす食事

とはいえ、コラーゲンを食事からとるのは難しいもの。日々の食事で少しでもコラーゲンをたくさんとれる方法を挙げますので、参考になれば幸いです。

コラーゲンの多い食品を計算して、日々の食事にプラスアルファ

先ほどの計算器を、とりたいコラーゲンの量から食品量を逆算できる計算器を作りました。日々の食事にさらにコラーゲンUPの食品をプラスアルファすれば、自然とコラーゲンの摂取量もUP!

ゼラチンを入れて、コラーゲン量UP

ゼリーを作るときに使うゼラチンは、実は豚皮からとったコラーゲンです。したがって、ゼラチンを食事にこっそり入れてしまえば、コラーゲンUP!最近はコンビニのレンジでチンするタイプのスープなどに、液漏れ防止にゼラチンを入れているものも増えています。それと同じように、家庭でもいろいろな食事にゼラチンを入れてみてはいかがでしょう。冷やすと固まってしまいますが温めれば戻るため、いろいろな食事に混ぜることができます。またゼラチンは若干臭みがありますが、香辛料や豚肉が入っている料理ならにおいも気にならないためおすすめです。

砂糖の代わりにマシュマロを使ってもコラーゲン量UP!

コーヒーや紅茶に砂糖を入れる代わりにマシュマロを入れると、見た目もかわいくコラーゲンUP

実は、マシュマロは卵白と砂糖とコラーゲンで作られており、100g当たり約2g(2%)のコラーゲンが含まれています。厳密な量はマシュマロのパッケージに記載されたタンパク質の表示量を確認してみてください。裏面のエネルギー表示のタンパク質はほとんどがコラーゲンになります。

カップ入りのマシュマロ

コラーゲンの効率的なとりかた

せっかくコラーゲンをとっても、体内でコラーゲンが再合成されないととった意味がありませんよね。以下、コラーゲンをより効率的にとれる方法を調べてみました。

プロテインといっしょにとるのがおすすめ

以前セミナーに参加したとき、某元アスリートの方がプロテインにゼラチン(コラーゲン)を混ぜて飲んでいたところ、プロテインだけよりも調子がよかったとおっしゃっていました。既出のとおりコラーゲンの素はたんぱく質(プロテイン)やアミノ酸で、さらにコラーゲンを摂取すればコラーゲンの再合成を促進してくれます。そのため、コラーゲンをほどよく食事にとりいれることがおすすめです。

ビタミンCやビタミンAと一緒にとるのがおすすめ

たんぱく質を構成しているアミノ酸の生成にはビタミンCやビタミンAが必要なため、これらの栄養を一緒にとると効率的です。特にビタミンCは不足しがちな栄養素ですので、摂取量は足りているのかも、併せて気にしてみてくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。コラーゲンは体の皮膚だけではなく骨や臓器などいろいろなところに存在してます。しかし年齢とともに減少してしまうため、体の中でしっかり作られるようにしたいですね。

毎日少しずつでもいいので、コラーゲンをとって健康な毎日を送りましょう。

  1. e-ヘルスネット「コラーゲン」 ↩︎
  2. 高分子論文集, Vol.67, No.4 (2010) ↩︎
  3. 日本ゼラチン・コラーゲンペプチド工業組合PR委員会 技術委員会(合同委員会)/監修「コラーゲンからコラーゲンペプチドへ」2014年 ↩︎
  4. 栄養学雑誌.70巻 (2012) 2号.P120 ↩︎

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