最近、機能性表示食品やサプリメントでGABA(ギャバ)という成分をよく見かけるようになりましたが、どんな成分かご存じですか?実はいろいろな機能がある成分ですので、普段の食事でとりたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。その方法について、お伝えします。

GABAとは?
GABA(ギャバ)はγ-アミノ酪酸ともいい、アミノ酸の一種です。主にうまみ成分のグルタミン酸から合成されます。一般の食品にも含まれており、特に発酵食品には多く含まれています。
GABAの機能
GABAには中枢神経に働き、体をリラックスさせるような作用があります。それにより、様々な機能が報告されています。機能性表示食品として届出されている機能には、以下のようなものがあります。
- 睡眠の質や目覚めの改善
- ストレスや疲労感の緩和
- 肌の乾燥や弾力の改善
- 高めの血圧を下げる
さらに、中性脂肪の低減や体重の減少、記憶力や学習能力の向上、ダイエット効果なども期待されています。GABAは意外と万能な成分なうえ原料単価が安いいため、様々なの健康食品に配合されることが増えています。
効果が期待できる量は
機能性表示食品に登録されているデータから見ると、GABAの効果が期待できる摂取量は1日に12.3mgから100mgです。血圧の低下を目的とする場合には12.3mg以上の摂取が推奨されますが、ストレスや疲労感の緩和には28mg、睡眠の改善には100mgの摂取が必要とされています。
普段の食事でとれないの?
最近は機能性表示食品の生鮮食品がたくさん出てきています。ナスやトマトがその代表例です。ナス、ミニトマト、からし菜、ニンジンなどには100gあたり20mg以上のGABAが含まれています。ナスの浅漬けに至っては、驚くことに200mg/100gというデータもあります※1。食品を発酵させるとGABAが増えるのです。野菜を個別に見ると大量に食べなければならないと感じるかもしれませんが、様々な食材に含まれているため、普段の食事から十分にとることができます。もっととりたい場合は、普段の食事に工夫を加えることでGABAの摂取量を増やすこともできます。
それも面倒という方は、サプリでとるのもおすすめです。
毎食とれる!GABA量UPのおすすめの食習慣!
GABAの摂取量を増やすために、ごはん(米)にひと工夫を加える方法があります。ごはんは毎食食べることができるため、手軽に取り入れることができますし、浅漬けのように塩分を気にする必要もありません。
この方法は、 昔は流行った発芽玄米を作る方法です。発芽玄米はGABAを多く含んでいることで知られていますが、実はご自宅で簡単に作ることができるんです。面倒な方は、発芽玄米を買っても大丈夫ですよ(笑)。
方法: ①白米ではなく玄米を使用する。 GABAはお米の胚芽の部分に多く含まれています。ですので、白米よりも玄米を使用したほうがGABAの量をたくさんとることができます。 ②3時間以上浸水させる。 玄米を炊く前に、常温の水に浸水させる(アルファ化させる)ことでGABAの量が増加します。浸水させる時間は3時間以上(できれば6時間)がおすすめです。浸水させることで、アミノ酸がGABAに変化し、GABAの含有量が増える効果があります。目安は玄米が水を吸収してふっくらと膨れ、鳩胸になるまで浸水させるとよいでしょう。
発芽玄米ご飯に含まれるGABAは、1膳(160g)で約8.3mgです※1。つまり、1日3食食べれば24.9mgになります。もともと白米ごはんに含まれるGABAの量は微量ですので、これだけでGABAをとる量がUPします。玄米がいやな方は、白米でもOKです。米の種類にもよりますが、白米を3時間以上浸水させるとGABAの量が10倍以上になっているデータ※2もありました。普段のごはんを工夫するだけで簡単にGABAを取り入れることができるので、ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
GABAをたくさん摂りたいと思っても、一つの食品を見てしまうと大量に食べなくてはいけない気がしてしまいますが、いろんな食材に含まれている成分なので、食事からとることもできます。普段の食事にプラスアルファ気を付けてあげれば、さらにGABAをたくさんとることが可能ですので、ぜひためしてみてくださいね。
※1. 食品中のGABAの含有量
大野一仁ら,愛媛県工業系報告 No.45, 29-34, 2007.
美味技術研究会誌/2010 巻 (2010) 15 号 32-37
※2. GABA富化米
NipponShokuhinKagakuKogakuKaishi,62(2),95-103,2015
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