健康食品には飲む日焼け止めや、美白や美容系のサプリメントによく配合されているL-シスチン。
あまり主役として使われていない成分ですが、同じ美肌成分として配合されるアスタキサンチンなどよりも食品からとりやすいので、普段の食事にとり入れてみてみませんか?効率的なとり方についてご紹介します。

L-シスチンとは
L-シスチンはアミノ酸の一種で、システインという似た名前のアミノ酸が2個くっついたものです。システインは医薬品でないと利用が認可されていないため、食品にはL-シスチンの形で添加物として配合されています。
サプリメントのように栄養強化で用いる以外にも、調味料として風味や旨味を改善するための添加物としても利用されています。加工食品の原材料に「調味料」と記載があれば、もしかしたらシスチンが添加されているかもしれません。
原料としては毛髪のケラチンに多く含まれているため、人や動物の毛などから抽出されます。
L-シスチンの推奨量と、食事から効率よくとる方法
L-シスチンをとるにはシステインをとればいいとお話ししましたが、システインはメチオニンやセリンといった必須アミノ酸から体内で合成することができます。したがって、システインとともにメチオニンやセリンをとるのもおすすめです。
WHOでは成人の必要量として、メチオニンとシステインの合計が体重1kg当たり15mg以上と示されています。
ですが、普段アミノ酸の種類や量まで考えて食事をとるのは大変ですよね。アミノ酸はタンパク質を構成している成分でもあるので、たんぱく質の多い食事をとれば、必然的にシステインやメチオニン、セリンもたくさんとることができます。システインを多く含む食品を参考に、たんぱく質を意識的にとって、肌の健康に役立てましょう。
以下のリンクでたんぱく質の多い食品やその必要性について説明していますので、よかったら参考にしてみてくださいね。
L-シスチンをたくさん含む食品とは
L-シスチンはシステインが2個くっついたものですので、このシステインがたくさん含まれている食品をとれば大丈夫です。
システインを多く含む食品を、下記に表にしました。ご自身の体重と食品の量を入れると、システインとメチオニンの量を計算することができます。さらに必要量(体重1kg当たり15mg)も計算されますので、食事でどれくらいとれているのか計算してみてくださいね。
※参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 アミノ酸成分表
ビタミンCと合わせてとるとおすすめ
また、動物実験のデータではありますが、システインと合わせてビタミンCをとるとシステイン単体での摂取よりも優位にメラニンの産生を抑制したというデータがありました。ビタミンCも美白におすすめの成分ですので、合わせてビタミンCの多い食品(レモンや野菜など)も一緒にとるとおすすめです。
システインの摂取は、細胞の酸化からも守る
体内にはグルタチオンというアミノ酸化合物が存在しますが、この化合物は細胞を活性酸素から守る作用があることがわかっています。そして、このグルタチオンも紫外線から肌を守る作用がある可能性が示唆されています。
このグルタチオンはシステインとグリシン、グルタミン酸の3つのアミノ酸から肝臓などの細胞で合成されます。システインをとることでこのグルタチオンの合成も促進されることがわかっています。
まとめ
L-シスチンを食品からとることは、日焼けや美白といった美肌、毛髪の健康、ひいては細胞の抗酸化まで期待されている成分です。L-シスチンは体内でシステインとして働きますので、食品からはアミノ酸のシステインやメチオニン、セリンをとることがおすすめです。
ですが、普段の食事でアミノ酸の種類や量までこだわってとるのは大変ですよね。アミノ酸はタンパク質をとることによって補うことができますので、たんぱく質の多い食品をしっかりとって、健康的な毎日を送りましょう!
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