糖転移ヘスペリジンの一種、モノグルコシルヘスペリジンは近年健康食品でたくさん商品化されるようになりました。その機能は多く、温活やむくみ、健康診断の数値(血圧・中性脂肪・尿酸値)など多岐にわたります。そのため、気になっている方も多いのではないでしょうか。そんな方に、みかんをお勧めする理由と効率的な食べ方をご紹介します。

モノグルコシルヘスペリジンとは?
糖転移(モノグルコシル)ヘスペリジンは、ヘスペリジンに糖(グルコース)を結合させたものです。ヘスペリジンはビタミンPともいわれ、昔からみかんなどに含まれていることで知られていました。しかし、水に溶けにくく吸収性が悪いことから、健康食品では糖転移ヘスペリジンの種々の製造方法が開発されました。
モノグルコシルヘスペリジンの作用と推奨摂取量
モノグルコシルヘスペリジンは前述のような様々な作用が報告されています。そのため、注目されている方も多いのではないでしょうか。
また、モノグルコシルヘスペリジンは、最近は機能性表示食品にも採用されており、臨床試験などの結果から各目的に応じて下記の量が配合されています。
期待される作用とサプリメントとして配合されている量:
- 血圧の低下 17.5~35mg
- 血流の改善・体温維持 74~375mg
- 血中中性脂肪の低下 340~350mg
- 顔・足のむくみ 300mg
- 尿酸値 300mg
では、この量を普段の食事でとることができるのでしょうか。
みかんに含まれるヘスペリジンの量
糖転移(モノグルコシル)ヘスペリジンは前述のとおり人為的にペスぺリジンに糖を結合させたものですが、私たちが食品からとれるのはヘスペリジンになります。ヘスペリジンは温州みかんなどの柑橘類に多く含まれています。温州みかんを1個食べれば、100mg弱のヘスペリジンをとることができます。
では、温州みかんなどの柑橘類から実際にどれくらいの量がとれるのか、計算してみましょう。分析例1をもとに計算器をつくりました。食べた量を入力するとヘスペリジンの摂取量が計算できますので、試してみてくださいね。
ヘスペリジンの効率的なとりかた
ヘスペリジンは吸収率が悪いと言われているため、ヘスペリジンでとっても意味がないと思う方もいるかもしれません。ですが、ヘスペリジンとモノグルコシルヘスペリジンの吸収の差はメーカー等の資料からおよそ3~4倍程度。みかん1個を食べれば90mg程度とれてしまうので、血圧や血流改善を期待されているのであれば、みかん1個で健康食品と同等量が期待できます。
ヘスペリジンが多いのは、皮の部分
さらにたくさんとりたい場合、果肉をおいしく食べた後に残った皮も料理に使うのがおすすめです。ヘスペリジンはみかんの果肉よりも皮に多く含まれています。その差はなんと40倍2です。柚子のような感覚でちょっとした薬味に使用すれば、香り豊かなお料理にランクアップします。また皮を油と一緒に調理すれば、吸収もUPするのでおすすめです。みかんの皮は七味唐辛子にも入っているように、乾燥させててフードプロセッサーで細かくしておけば、ちょっとした薬味として保存もしておけます。これは生薬の「陳皮」になりますので、手作り薬膳に挑戦してみるのも楽しいですよね。

東洋医学の観点からも、みかんはおすすめ
東洋医学では、体を温める食材、体を冷やす食材といった五性という考え方があります。昔東洋医学を勉強していた時に、五性をざっくりと把握する方法として、寒い時期に採れたものは体を温める、熱い時期に獲れたものは体を冷やすと教えてもらいました。旬の時期にみかんを食べることは理にかなっているのですね。
みかんは五性では涼(体の熱をとり炎症などを鎮静させる)に分類されますが、みかんの皮を乾燥させた陳皮は温(体を温める)になります。ヘスペリジンという成分の存在を知らなかった昔から、みかんは薬膳的にも重要な漢方素材だったことが伺われます。みかんを食べて体の巡りをよくし、気になる悩みをケアしましょう。
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