ナイアシンとパントテン酸:エネルギー代謝に関わるビタミン

ビタミンBのイメージ1. 完全栄養な食事のコツ

ナイアシンとパントテン酸はエネルギー代謝に関わる補酵素で、体に必須の栄養素であるビタミンB群の一種です。これらの栄養素は普段の食事からとれているのでしょうか。

性別や年齢ごとに基準値※1から摂取量※2を差し引いて、過不足量を調べました。また、パントテン酸の量から食品の量を計算できる計算器を用意しました。あとどれだけ何を食べたらいいのか、参考にしてくださいね。

ビタミンB群(ナイアシン)のイメージ

ナイアシンの役割

ナイアシンはニコチン酸とニコチンアミドの総称で、水溶性のビタミンB群の一種です。必須栄養素のひとつですが、ナイアシンはアミノ酸の一種であるトリプトファンからも体内で合成されるため、たんぱく質をしっかりとっていれば不足することはありません

話題の成分「NMN」の前駆体

最近「若返りのビタミン」として話題のNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)をご存じですか?ナイアシン(ニコチンアミド)はこのNMNの前駆体でもあります。そうするとナイアシンをとればNMNをとったことになると思うかもしれませんが、残念ながら年齢とともにナイアシンをNMNに変換する酵素が減ってしまうため、40代以上はNMNをサプリでとることがすすめられています※3

パントテン酸

パントテン酸は、食品から摂取すると様々な形に変換されて細胞内でエネルギー代謝に関わっています。そのため、免疫系や元気をチャージするタイプのサプリメントに配合したりします。様々な食品に含まれている栄養素なので、少し気を付ければ簡単にとることができます。

日本人のナイアシンとパントテン酸の摂取量

では、皆さんの普段の食事からナイアシンとパントテン酸の摂取量は足りていると思いますか?推奨量※1と日本人の食事摂取状況の中央値※2から、一般的な食事をしたときにどれだけ過不足があるのかを調べました。

グラフは年代と性別ごとのナイアシンとパントテン酸の過不足量を示しています。計算は、厚生労働省の食事摂取基準値※1から実際に日本国民が食事から摂取している成分量※2を差し引いた数字です。ナイアシンはどの世代も十分とれていますが、パントテン酸は若干推奨量よりも少ない傾向があることがみてとれます。

基本的にはパントテン酸も不足が懸念されている栄養素ではありません。ですが、元気を出したいときには少し多めにとることがおすすめです。水溶性の栄養素なので、食品からとるぶんにはとりすぎることはほぼありません。次の計算でパントテン酸の成分量から食品の量を計算してみましょう。

食品の量を計算してみましょう

パントテン酸はあらゆる食品に入っている栄養素なので、毎日の食事に食材をちょっとプラスすることで、簡単にとることができます。パントテン酸の量から、食品を自動で計算できる表を作りました※4。とりたい量を入力すると食品の量が出ますので、試してみてくださいね。どれくらいとったらいいかわからないという方は、グラフの過不足の量を参考にしてみてくださいね。

まとめ

いかがでしょうか。パントテン酸はあらゆる食品に含まれている栄養素です。その中でも納豆やレバーに多く含まれているので、効率よくとるためにはこれらがおすすめです。

ナイアシンもパントテン酸も、摂取不足が気になる栄養素ではありませんが、元気が出ないときなどには今回のグラフを少し意識して、食事の献立にとり入れてみてくださいね。皆さんの健康的な生活を応援しています。

※1.厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版
※2.令和元年国民健康・栄養調査 <中央値>

※3.今井眞一郎著「開かれたパンドラの箱」朝日新聞出版、2021年
※4.参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

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